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生き生き「係」活動 
  


 高山佳己 トップHP

ネーミングの工夫,自発的なコマーシャル,そして異色の係誕生!



集団で生活する上でどうしても必要な組織がある。
 「係」である。
 会社にもある。これが学級となると、給食当番であったり日直当番であったりする。あるいは、学級文化を創造するレクリエーション係であったりする。

 読者のみなさんは、小学校時代どのような係をされたのであろうか。
 例えば、「黒板係」−まさしく係の定番である。
 その昔、誰しもが黒板消しを二つ持っていって窓の外でポンポンと叩いたのではなかろうか。
 また、校舎の壁で叩いて壁に黒板消しの跡をつけた経験は多くの方が持っているに違いない。
 そう言えば、風の向きまで計算できず、チョークの粉にむせ返った覚えが…。
 「花係」−新聞紙や広告の紙にくるんで生花が持ち込まれる。朝、流しで花瓶に生けるのは女の子の役であった。
 「整理整頓(とん)係」「生き物係」「落とし物係」なんてのもあった。

■上手に楽しむ■

 さて、このような係活動は、今もどっこい健在である。(ただ黒板係は、もう黒板消しをたたくことはない。備え付けの電動クリーナーがあって、そこにこすりつけると粉が吸い取られるようになっている。)
 そして,子供たちは、係活動を実に上手に楽しむ。
 まず、係の名前(ネーミング)を工夫する。小学二年生を担任した時のことだ。
 黒板係→「消し消し君」 花係→「きらきら花屋さん」となる。(ちなみに,これが高学年となると、花係→「美しき花の舞」に)。
 ほかにも、保健係→「救急おねえさん」,配達係→「分けるぞ係」,音楽係→「音楽ハウス」,配膳係→「配膳レストラン」,生き物係→「生き物マンション」という具合だ。

■微笑ましい風景■

 異色の係も登場する。
 『ミニけんかを止める係』−K君が、「けんかをしていたら、止めたい」と言ってきたのがきっかけだ。
 私のクラスで,しばしば騒動を引き起こし元気のよすぎる子である。しかし,憎めない子でもある。早速この係が誕生した。
 ところが、誕生した途端、開店休業状態に陥ることとなった。なぜ休業状態に陥ったのか。これはいろいろと推察できる。

・K君が、けんかを止めるくらいならけんかをしない方がいい−と周りの子供たちが判断した。
・K君がけんかをしない立場になったので必然的にけんかがなくなる状態となった。…どちらなのかは定かでない

 『百人一首係』−この一月から「百人一首」を始めた。大人気である。そこで、覚えた歌を黒板の隅に書き、朝の会で一首ずつ唱えることになった。
 係の子が、「奥山に〜もみぢふみわけ〜」と朗詠すると,クラス全員がそれに続くのである。
 まさに朝の清涼感!
 係は,また「百人一首大会」も企画する。
『一人あやとり係』−昼休み、図工で使った毛糸で私が、「一人あやとり」を何人かの女の子たちに教えてあげた。「川」とか「油揚げ」とか「鼓」など…。
 教わった子たちは、みんなに広めようと係を作り、休み時間、必死にあやとりを練習している。女の子が、男の子に教えている様子を見るのはなかなか微笑(ほほえ)ましいものだ。

 ところで、「係の仕事をしっかりやろう」と子供たちに言うより、「係のコマーシャルをを考えてごらん」と持ちかけた方が、子供たちはのってくる。
 最後に紹介する次の文章は、先の保健係こと「救急おねえさん」のコマーシャル文だ。
 『わたしたちは、「救急おねえさん」です。けがをしたら、すぐに言いに来てね。あんまりひどい怪我(けが)じゃなかったら、おねえさんが、バンソウコウをはってあげます。』